行くのか武蔵 好村兼一著 [本]
宮本武蔵の研究が近頃かなり進んできているようです。その一人魚住孝至氏です。著者好村兼一氏は剣道八段の作家で有名ですが、著者も魚住氏の著作を始め古文書を調べ不明な点を創作して、現代の研究成果を活かしかかれたものであり、語り口を養父”宮本無二”の視点で語っています。そのため、宮本武蔵を父親からみてかかれているわけであり、岩流小次郎(吉川英治でいう佐々木小次郎)との立会いを私闘として扱い、養父無二の意趣返しとしています。そのため、小次郎との果し合い以降プッツリと武者修行を止めてしまったとの筋立てです。事実小次郎との立会いを武蔵本人は語っていないからです。吉川”武蔵”と比較すれば、誠にすばらしい優等生の侍であり、芸のみちでも、書、絵画、茶の道、造庭などに造詣が深かったようである。残っている書、画、像などを見ればそのとおりであると思います。この本で興味を持った方は魚住孝至氏の著作をお読みください。
コメント 0